世界で12億人に使われている中国で大人気のSNSアプリ「WeChat(微信)」。 WeChat(微信)の中で、WeChatミニプログラム(微信小程序)と呼ばれるミニアプリが、現在世界中から注目を集めています。
今回は、WeChatミニプログラム(微信小程序)をメインに説明していきます。
WeChatミニプログラム(微信小程序)とは?
WeChatミニプログラムとは「WeChat(微信)の中で動作できる、インストール不要なミニアプリ」です。一般的なアプリのようにダウンロードする必要がなく、QRコードスキャンだけで手軽に利用できる点が特徴的です。
また、従来のアプリと同じくらいの機能を実現できます。
その手軽さと機能性が受け、2017からわずか1年で、2664個のアプリがロンチされ、50%の企業が自社の看板をminiappを通して立ち上げて、現在すでに、12億人が毎日使用しています。
WeChatミニプログラム一日当たりのアクティブユーザー数は4.4億人を超えています(2020年12月時点)。
特に最近ではLINE社がLINEミニアプリ※の提供を開始しており、日本でもミニアプリに注目が集まっています。
※ミニアプリとは既存のウェブサイトやアプリ内で起動する小さなアプリケーション。
WeChatミニプログラムと従来型アプリのユーザーの比較
WeChatの膨大なユーザー数に基づき、2017年から2021年にかけて、Wechatミニプログラムの数及びユーザー数が急速に増えました。
QuestMobileのデータによりますと、WeChatミニプログラムの月間アクティブユーザー数は8億3,200万人(2020年9月時点)を越えました。
さらに、2019年から2020年にかけて、ユーザーはWechatミニプログラムを特に日常生活で利用する傾向が見られています。
ユーザー1人当たりのWeChatミニプログラムの平均利用時間は27%以上増加し、68.15分に達しました。
グラフ1:WeChatミニプログラムの個人月間利用頻度(左) &一人当たりの月間平均利用時間(単位:分)(右)
Statistaのデータ(2021年)によると、「2020年時点で、中国のApp Storeでダウンロードできるアプリは約345万個となっています。
その内の59%は、自社開発ではなく、他社に依頼して開発されたものです。テンセントのWechat、QQ、及びアリババAripay、Taobaoは中国ユーザーの間で最も人気のあるアプリです。」
グラフ2:2017年から2020年にかけて中国のApp Storeでダウンロード利用可能な携帯アプリの数の変化(単位:百万)
グラフ3:中国ユーザーの1日あたりの従来型利用時間(%)
業界別のユーザー比較
グラフ4:生活サービス業界:月間アクティブユーザー数(MAU) (単位:億円)
グラフ5:オフィス指向業界:2020年9月の主要の3社アプリのユーザー数 (単位:万人)
グラフ6:EC業界:従来型アプリのユーザー数伸び(左)とWeChatミニプログラムのユーザー数伸び(右)(単位:億人)
以上3つのグラフによりますと、 中国では従来型のアプリとして利用可能なアプリ数は減少しています。 さらに、従来型アプリのユーザーの1日あたりの利用時間も減少していました。
従来型アプリに比べて、ユーザーの依存度、市場の浸透率に関してはWeChatミニプログラムは強力な競争相手となっています。 ユーザーは日常生活を支えている従来型アプリから、もっと手軽に利用できるミニプログラムにシフトしていきます。
WeChatミニプログラム(微信小程序)の利用メリット
ユーザー側メリット
- アプリのインストールは特に必要ない。
- 手間がかかる会員登録、会員ログインは一切不要
- ミニプログラムへアクセスする手段が多く手軽に利用できる
- クレジットカードも登録不要でWechat payで決済できる
企業側のメリット
- SNSの拡散力を利用できる
- 開発コストが低い
- SEOの運営も不要
WeChatミニプログラム(微信小程序)でできること
WeChatミニプログラム(微信小程序)では、従来のアプリと同じ機能が提供できる。
EC機能、会員登録機能、カスタマーサポーター、決済機能、クーポン機能、予約機能など、
様々なニーズに応じて柔軟に開発することが可能です。
WeChatミニプログラム日本企業の活用事例
小売業界
百貨店や商業施設ではWeChatミニプログラムを利用する事例を紹介致します。
主に利用されている機能:
- クーポン:お得なクーポンを表示
- 店舗検索:英語の地図でショップの案内
- 免税サービス:免税商品を事前に予約できるようにし、受け渡しがスムーズになります。
- 翻訳:Wechatミニプログラムを使ってコミュニケーションが可能に。
- レンタル予約:Wechatミニプログラム上でベビーカーなどのレンタルサービスを事前予約。
航空業界
航空業界
日本航空(JAL)でWeChatミニプログラムが利用されている事例を紹介致します。
主に利用されている機能:
- 航空サービス:いつでも、どこでも、フライトを予約し、フライト情報を確認できます。
- 会員サービス:JALでマイルをためる、つかう、ポイント交換が可能。
- おすすめツアー:国内・海外おすすめツアーを常にアップロードし、観光ガイドを表示。
まとめ
いかがでしょうか?
今回はWeChatミニプログラムの使い方について紹介しました。
日本でもミニアプリが注目を集めていくことが予想できます。
今後もミニアプリの情報をどんどんお届けしていきたいと思います。