プログラミングなのに、コードがいらない!?
最近、プログラミング界隈を賑わす「ノーコード」。そもそも、ノーコードとはなにか、どんな種類があるのか、初心者でも使いやすいツールはあるのか。みなさんはそんな疑問を持ってこのページを開いたのではないでしょうか。プログラミングといえば、パソコンの画面いっぱいに赤や青といった色とりどりのコードが表示され、プログラマーがそれらと日夜睨めっこしている。そんなイメージを持っている方も多いでしょう。ノーコードは、それとは正反対の「誰でも」「手軽に」「洗練されたデザイン」でプログラムを開発することができる仕組みです。
この記事では、ノーコードに興味を持ったみなさんにきっと役立つ、「ノーコードの概要」、「他の仕組みとの違い」「ノーコードの使用はどんなときにおすすめか」についてわかりやすく解説します。
この記事の結論
・ノーコードを使えば、誰でも気軽にクオリティの高いプログラムができる! ・ノーコードは、ローコードに比べ開発時間と開発コストを抑えることができる!
ノーコードとは?
ノーコード(NoCode)は、プログラミング知識が無くてもアプリやウェブサイトの開発を可能にする優れものです。ノーコードを使えば、今まではプログラマーのような専門性の高い人間しか作れなかったプログラムが、プログラマーがいない会社でも簡単に作れてしまうのです。ノーコードは主にサブスクリプション(定額料金でサービスを利用する仕組み)で提供されています。日本はもちろん、世界でもノーコードツールを提供する会社は増加傾向です。あるアメリカの調査会社フォレスター・リサーチの調査によると、2020年のノーコード・ローコードのソフトウェア開発サービスの市場規模は約67億ドル、24年には145億ドルになると予測されています。*1 *1https://go.forrester.com/blogs/tag/no-code/
ローコードとの違い
いま出てきた「ローコード」という言葉、ご存知でしたか?英語のスペルでLow Codeと書く通り、通常のプログラミングに比べて容易にプログラムを組みことが可能な仕組みです。ノーコードとローコードの特徴と違い、それぞれのメリットとデメリットについてご紹介します。
特徴
ノーコードとローコードの共通点は「あらかじめ用意された機能を使用する仕組み」だということです。ノーコードやローコードのツールを提供するプラットフォーム側から既に多くの機能が用意されているので、目的に合う機能を開発者が自由に選んで利用することができます。
一方で明確な違いもあります。ノーコードで開発する場合はプログラミングの知識が一切不要ですが、ローコードで開発する場合は基礎的なプログラミング知識が必要です。プログラミングの知識を習得する時間が省けるという点で、手軽さはノーコードに軍配が上がりそうです。かたやローコードならではの特徴もあります。ノーコードとは異なり、外部のソフトと連携して拡張性を持たせたり、独自のデータを取り入れることでより高度で高機能なシステムを開発することができます。
ノーコード | ローコード |
---|---|
プログラミング知識は一切いらない | 基礎のプログラミングが必要 |
予め用意されている機能をドラッグ&ドロップする仕組み | 予め用意されている機能をドラッグ&ドロップする仕組み+独自のデータや外部連携が可能要 |
非常にシンプルなWebシステム(外部連携などできない) | ノーコードより高機能なシステム開発が可能 |
メリット・デメリット
ノーコードとローコードは「あらかじめ用意された機能が利用できる」点で共通しており、ノーコードは知識不要で開発ができますが、ローコードはプログラミングの知識が必要という点で違いがあります。
次はメリットとデメリットです。
ノーコード
まずはノーコードのメリットとデメリットについてご紹介します。
メリット | デメリット |
---|---|
開発が低コストで抑えられ、開発時間も抑えられる | プラットフォーム内の機能しか使えない(プラットフォームへの依存) |
誰でもアプリやWeb開発が可能 | 機能や目的が限られている |
用意された範囲以内であれば簡単に機能の膨張が可能 | 複雑な開発には対応不可 |
バグ発生が少ない(修正する必要がほとんど無い) |
メリット
ノーコードの強みはシンプルさと速さです。
プラットフォーム内ですでに用意されている機能をドラッグ・ドロップすればアプリ・Webサービスを構築できるため、開発チームやIT担当者がいない企業に向いています。プロモーション担当や営業担当はもちろん、部門問わず誰でも開発が可能なので、外部のエンジニアに依頼する必要がなくなります。ノーコードを使用すれば、費用と時間を大幅に削減することができ、「手軽で」「低コストで」「誰でも」プログラムを作ることができます。プラットフォームが提供するシステムの範囲以内であれば、機能の追加・変更・削除も簡単に行えます。機能の変更を手軽に行えるので、完成までのスピードを早まらせることも可能になります。ノーコードのメリットである「手軽さ」があることで、システムの提案から実装までのプロセスを短縮するだけでなく、社内で一気通貫して開発・管理が行えます。シンプルさと速さという最大の強みは企業のPDCAを効率的に回すことにも貢献します。
デメリット
反面、ノーコードの弱みはプラットフォームへの依存リスクと拡張性の低さです。
ノーコードで開発する場合、使用できる機能はプラットフォームが提供するノーコードツールの範囲内に制限されることになります。全ての機能がコードを書かずに使用できる一方で、プラットフォームが持つ機能に開発側が依存し、他のプラットフォームに移行することが難しくなることがあります。ノーコードツールの中でも、使用しているプラットフォームによって機能が異なれば、使いたい機能が使えなくなり、開発に制約がかかってしまうおそれもあります。このように、プラットフォームに依存してしまうと追加の開発ができないため機能の連携やカスタマイズができません。ノーコードプラットツールを導入する前に「ノーコードで何を実現したいのか」「ノーコードで具体的に何を作りたいのか」をイメージしながら、欲しい機能を考えてみるとこのようなリスクを回避できる可能性が高まるかもしれません。
ローコード
ノーコードは、簡単で気軽に開発ができる反面、拡張性が乏しくプラットフォームに依存してしまう傾向が強い点がデメリットです。次に、ローコードのメリットとデメリットについてご説明します。
メリット
ローコードもノーコード同様に開発にかけるコストや時間を削減してくれます。
特徴として基礎的開発知識が必要になってくるため、開発チームやIT担当に使用されやすいので、開発の「手助け」をするイメージとなります。合わせて機能の外部データ連携や企業の特徴に合わせてカスタマイズを加えることが可能となり、ビジネスロジックを当てはめやすくなっています。
デメリット
その反面、コストと時間がかかってしまいます。
開発担当がいない状態でローコードを使いこなすには従業員のトレーニングが必要になってきます。従業員の知識のインプットや研修にコストと時間を費やしてしまうと、開発のコスト・時間削減のために導入したはずが返ってコストと時間がかかってしまい、導入したメリットが薄れてしまうということが起こりかねません。
別のデメリットとして、ノーコードと比べた際により高機能なシステム構築は可能ですが大規模な開発には対応できないこともあります。より大規模な開発を行いたいときは、プログラミングの知識をより深く学習するか、専門性を備えたエンジニアが必要となります。「ローコードを使って、何を作りたいのか」だけではなく、「どこまでローコードで開発するか」というゴールを設定することも導入動機とのミスマッチを無くすためには大切です。ノーコードと同じように、何をしたいかを明確にしてからの導入をお勧めします。
コストをかけずに開発してみたい方はノーコードがおすすめ
「どんなシステム」を「どれくらいのコストで開発したいか」でノーコードとローコードどちらがおすすめかは異なります。
結論、プログラミング初心者の方や「プログラミングに興味はあるけど、知識はあまりないので手軽にプログラミングを作ってみたい」という方には、ノーコードがおすすめです。開発コストが低く、ローコードに比べて開発時間も少ないのでとりあえず試してみたいという人にはうってつけでしょう。ノーコードの具体的なツールとしては、例えば「anybot」があります。低コストでLINEに埋め込む形のミニアプリですので、さまざまなビジネスシーンにおいて汎用性が高いです。プログラムの知識が皆無でも、ビジネスの目的に合わせたプログラムを組むことができるので、一度試してみてはいかがでしょうか。