「テクノスポーツで世界に夢と希望を与える」
会社のビジョンにこう掲げるのは、拡張現実(AR)技術による新たなスポーツ「HADO(ハドー)」を開発する株式会社meleap(以下meleap)。スポーツの内容はこうだ。3対3のチームに分かれ、ヘッドマウントディスプレーを頭部に、アームセンサーを腕に装着し「エナジーボール」や「シールド」といった技を駆使して80秒間戦う。ワールドカップも開催されており、選手はラケットやボールの代わりに黒色のゴーグルを抱えて入場する。最近ではファミリー層や新規顧客の獲得に注力し、東京・日比谷や群馬・前橋などに「HADO」を体験できる店舗を構えている。
新規顧客獲得のうえで課題となっていたのは、予約システムの利便性向上だ。新しくサイトを見てくれた人が、予約ページに進んでも手続きが煩雑なためなかなか予約に結び付かなかった。そこで、ミニアプリ「anybot」を予約システムに導入したことで手続きが簡略化され管理のしやすさも劇的に向上したという。「anybot」はmeleapの抱える課題にどう貢献できたのか。meleap広報担当の松岡さんにお話をうかがった。
ーー以前の予約システムではどのような問題があったのですか。
「「HADO」のサイトから予約システムに飛び、予約を完了するまでの導線が長く、時間がかかる点が新規の人にとって予約しづらい要因になっていた。プランの多さも課題だった。90分、120分といった時間の選択だけでなく、使用コートも選択しなければならず煩雑なシステムに。予約人数に至っては、電話口で1人1人対応している状況だった」
ーー予約のしづらさが苦情として届くことはありましたか。
「正直な話、苦情が来るほど予約を取れていなかった。レンタルコートを使用している既存のお客様からは使いづらいという声を頂いた。なかには各ページをブックマークして使用している方もいた。新規顧客に関しては、予約システム上であまり受け付けられておらず、そもそもシステムを使いこなせていなかった。新規の予約システム導入のきっかけはそこにあった」
ーーどのような経緯で「anybot」を知りましたか。
「もともと「WeChat」のようなものができないか、と社内で声が上がっていた。日本で浸透している似たようなプラットフォームは「LINE」で、予約システムが構築可能なのは知っていた。関連のサービスを調べているうちに「anybot」を利用している人からの口コミを聞いて、サイトから直接問い合わせるに至った」
ーー他のサービスではなく、なぜ「anybot」を選びましたか。
「他のサービスと比べてコストが抑えられる、複雑な予約システムが作れる、お客様との関係構築が実現できる点が決め手だった。予約数だけではなく、来店しているお客様がどういう趣味・嗜好を持っているかを把握してアプローチできる点も魅力だ」
ーー顧客データが自動でグループ分けされるので、詳細に把握できますよね。
「お客様の導線が把握できていれば、来店時のトークにも生かせる。例えば、最初は体験コースを15名で予約していたが最後は6人で予約されたお客様がいた場合、「次は団体で予約しませんか?」と声かけができる」
ーー「anybot」導入後の予約システムのフローはどのように変わりましたか。
「サイトに掲載されているQRコードからLINEの友達追加をしていただき、リッチメニューから予約という流れになっている」
*リッチメニュー:LINEのトーク画面下部に大きく表示されるメニューのこと
ーーサイトに掲載されているQRコードに誘導するための施策があれば教えてください。
「CPF(Cost Per Friends)広告の相性が抜群。サイトに対しての導線はもちろん考えているが、CPF広告やチラシのQRコードからの流入効果が高い。チラシは小学校にも配布しており、児童からの反応も良い」
*LINE広告を通じてLINE公式アカウントの友達を獲得する配信機能
ーーLINEを持っていない人に対するアプローチは考えていますか。
「LINEを持っていない人がターゲットになることはあまりないため、考えていない。電話での問い合わせも組み合わせて対応している」
ーー以前の予約システムと比較したときに「anybot」から得られた効果はありますか。
「手作業でやっていた受付がなくなったのは非常に大きい。「anybot」の効果と一概には言えないが、去年の10月~12月と今年の3月~5月を比べると、予約数が1.5倍まで向上している。LINEでの予約は全て「anybot」を使用しているので、売上には関わっているだろう。コロナ禍では健闘している」
ーー「anybot」のなかで特に気に入っている機能(箇所)あれば教えてください。
「(機能というものではないが、)ユーザーの導線が全て可視化される点。例えば、いつLINEに流入してきて、どんな動作をしているのか顧客の一挙手一投足をリアルタイムで確認できるのは嬉しい。ミニアプリを今まで使ったことがなかったので、予想できない発見だった」
(セグメント一覧で顧客の属性を管理できる。学生・社会人といった分類だけでなく、何回サービスを体験したかで分けることもできる)
ーー導入する前に懸念点はありましたか。
「実際に運用できるのかという懸念点はあった。meleapは開発会社なので、外部にお願いした際に期待していたものとは違うものが上がってくるという可能性を認識していた。「本当に大丈夫なのか」といった社内の懸念の声は何度も聞いていた」
ーー今はその懸念点は解消されましたか。
「導入が完了し、運用もできているので解消した。ただ、なんでもできるからこそ社内の人間に「こんなことはできないの?」となんでも尋ねられるのは担当してる身としては困るかもしれない」
ーー今後、多店舗展開する際にも「anybot」を利用したいと伺いました。
「FC(フランチャイズ)で多店舗展開していくなかで、予約システムも包括してサービスを提供するため「anybot」の利用は必然的な流れになる。運用のしやすさとユーザーの導線の掴みやすさも魅力だ。今後、サポートの部分で誰でも利用できるような使いやすさが増していけば、サポート体制も組みやすい。1店舗のサポートで精一杯なのが現状だ」
ーー今後こういう機能があればいいな、というものがあれば教えてください。
「予約の残り枠数の可視化、残りの枠数に応じて○△×と表示できれば非常に良い。実際、△や×を表示できると予約が入りやすくなるデータが出ている。「予約しないと埋まってしまう」という心理が働いているのではないか」
ーーちょうどUIアップデートしているところですので、楽しみにしていてください。最後に、「anybot」の導入に迷っている企業様にメッセージがありましたらお願いします。
「あぁこれだ、と思ったのが「anybot」。だから営業に任せてもいいかもしれない」
(聞き手:カリーナ、陸)