- 顧客管理(CRM)システム:4つのメリット
- DX(デジタルトランスフォーメーション)の定義と動向
- 顧客管理(CRM)は顧客と友好関係を構築するためにある
- 顧客管理(CRM)から得られる効果・メリット
- まとめ
顧客管理(CRM)システム:4つのメリット
DX「デジタルトランスフォーメーション」が進む中、多くの企業はITシステムへの導入・検討をしているのではないでしょうか。
特にコロナ禍による非接触や密を避ける対策により、企業がどのように顧客と関係構築を行うかが重要なテーマとなってきました。その悩みを解消してくれる「顧客管理(CRM)」システムが注目を浴びています。顧客満足度を向上させ、健全な関係の継続を手助けしてくれる便利なシステムです。
企業が顧客管理システムを導入すべきか理由は以下4つのメリットに潜んでいます。
1)離脱した顧客を呼び戻せる
2)営業活動や販促活動を効率化
3)一元管理で業務効率化
4)ビジネスプロセスの可視化
今回の記事では顧客管理システムの役割と得られるメリットについて解説します。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の定義と動向
企業のDXが必要、政府がDXを推進している、というフレーズをよく耳にしますが、皆さんはその定義をご存知でしょうか? DXは「デジタルトランスフォーメーション」の略であり、テクノロジーにより産業構造を変化させることを意味しています。
動向を見ると、企業によるDXへの期待は高まっていることが分かります。
リトルソフトが2021年2月に実施した中小企業向けの調査によると、取り組み始めている企業は少ないものの、「DXの推進が必須」と4割も回答し、DXへの期待がうかがえます。
特に期待している分野1位と2位の「販売促進」と「顧客管理」は同等に約30%を獲得しています。
企業がDXの一環として、重要視している顧客管理について解説します。
顧客管理(CRM)は顧客と友好関係を構築するためにある
DXへの関心と同時に顧客管理にも関心が寄せられていることが分かりました。では顧客管理とはどう行ったシステムで、どんな役割を果たしてくれるのかをご紹介します。
CRMは「カスタマーリレーションマネジメント」の略で、顧客と友好的な関係を構築し継続させるためのシステムです。顧客データを管理し情報を分析することで、既存顧客へのアプローチもでき、潜在層への理解も深めることができます。
例えば、ある友達にAさんとBさんがプレゼントをあげることにします。 Aさんは友達について何も下調べせずにただただプレゼントを購入し、渡しました。しかしBさんは友達の性格、好きな色、最近欲しがっていた物を元にプレゼントを購入しました。さて、どちらのプレゼントに対して友達はより喜んでくれますか?
もちろんBさんですよね。「ちょうどそれほしかった!」とBさんに対して好感度も上がります。
このように企業も顧客に同じように接すれば関係の維持や満足度の向上に繋げることもできるのです。だからこそ膨大な顧客データを管理できるCRMシステムが必要になってくるのです。
顧客管理(CRM)から得られる効果・メリット
企業が期待を高めているCRMシステムはマーケティング部門や営業部門に限らず、幅広い部門に多くのメリットを提供してくれています。
1)離脱してしまった顧客を取り戻すチャンス
企業が売り上げの向上を目指すためには、顧客の獲得が欠かせません。しかし獲得した顧客もいれば、離脱してしまう顧客もいます。離脱の理由は、何らかの不満を持っている、他社がより魅力的に感じた、もしくは商品に必要性を感じなくなったなどさまざまです。この「離脱の理由」を探し出す手助けをしてくれるのが顧客管理です。
顧客管理システムでは全ての顧客データがあるので、導線が把握しやすくなっています。顧客への効果的なアプローチが見つけやすくなり、改善が必要な施策も見つけやすいです。例えば、顧客データを踏まえて、離脱しそうな顧客には特別なクーポンを配信したり、限定のコンテンツで販売促進を促すことができます。顧客の属性や好みを掴めば新規顧客にはより最適化されたアプローチができます。加えて離脱を防ぎ、一度離脱した顧客も呼び戻せる可能性もあります。
2)蓄積されたデータから営業活動や販促活動を効率化できる
顧客管理システムで獲得した顧客データは管理システム内に止まらず、営業や販促活動の効率化にも貢献できます。蓄積された顧客データを有効的に使えば使うほど効果が強くなります。
例えば、ある商品がどの顧客層に人気なのか、逆にどの層には売れていないのか、顧客データをもとに顧客の属性や傾向を把握することができます。このデータを営業に共有すれば、営業も商談の際に顧客層に合わせた提案をすることができます。同時に、顧客の良い導線の発見と悪い導線の改善を繰り返すことで全体の販促施策の最適化が図れます。
実際に顧客データで実効性の高いマーケティング施策を生み出した事例はこちらになります。
3)一元管理で業務効率化を図る
多くの顧客管理システムには管理画面が備わっており、複数の窓口から入ってくる顧客のお問い合わせや顧客の行動歴を一覧することができます。別々で管理していたデータが統合されるため、全体が把握しやすくなります。顧客データは自動で保存される場合もありますので、今まで手動でデータ入力をしていた作業が省け、業務負荷軽減の効果が期待できます。
4)情報のリアルタイム共有でビジネスプロセスの可視化
顧客管理システムで顧客データが保存される上、社内共有ができるようになっています。社員が管理画面からログインすれば、情報をリアルタイムで把握することができます。顧客の導線も見える上、ステータス管理や担当の振り分けも管理画面上で行えるため、ビジネスプロセスの「視える化」が実現します。情報共有によりスピーディーな社内対応が可能となり、顧客満足度の向上にもつながります。「視える化」は業務の効率化はもちろんですが、改善点を見つけやすくなるメリットもあり、会社全体としての効率化がはかれます。
顧客管理システムは顧客関係構築だけでなく、社内の効率化まで貢献できる、幅広い効果を発揮できるシステムとなります。
まとめ|顧客管理システムは顧客との関係構築だけでなく、社内効率化にも貢献できる二刀流システム
ここまで見てきたように、企業によって顧客管理システムを導入するメリットは以下の4つになります。
1)離脱した顧客を呼び戻す
2)営業活動や販促活動を効率化
3)一元管理で業務効率化
4)ビジネスプロセスの可視化
顧客管理は顧客との関係構築を手助けするだけでなく離脱した顧客の分析によって施策のPDCAサイクルを回すことができます。社内での効果も期待でき、スムーズな情報共有により企業活動の効率化や社内の業務軽減を補助してくれます。
以上の4つのポイントを踏まえて、自社によって顧客関係管理(CRM)ツールは必要なのか、導入を検討してみるのはいかがでしょうか。